【良い姿勢】に対して、なんとなく「背すじが真っすぐでシャンとしている」といったイメージをお持ちかと思います。
小難しいことナシで言えば、そのイメージで大筋間違いではありません。
正しいかどうかは別にして「パッと見で良い姿勢」をするだけでも、人に与える印象はずいぶん違ので、そのイメージ通りの姿勢ができれば、それだけで十分に「良い姿勢の人」と言えます。
ですが、見た目ではなく「自分の身体を大切にする」という観点で姿勢を考えると、理想的な姿勢がどんなものなのか、知っておくことは大事なこと。
ここでは、実際「良い姿勢ってどんなの?」ということを、手軽に確認する方法を紹介します。
正しい姿勢ってどんなの?
基礎知識として
人間の背骨がS字カーブを描いていることは、一般的によく知られています。
背骨が湾曲している理由は、「内臓を守るため」や「地面からの衝撃を背骨のカーブが吸収し脳を守るため」であり、このS字カーブが自然と維持できる姿勢が生理的に「正しい姿勢」となります。
ただ、姿勢を意識する時に、背骨がS字カーブとなるよう背中をクネクネさせる必要はありません。
外見上、横から見て耳、肩、腰、膝、くるぶしが一直線上にあれば、身体の中で背骨は自然とS字カーブの形になります。
また、正面から見て頭頂、おへそ、股間が一直線上にあり、左右の肩のラインと腰骨のラインが真っすぐ平行であることが、理想的な正しい姿勢です。
正しい姿勢の確認方法
ただ、「真っすぐ」と言われても、いつでも鏡で確認できるわけではないし、鏡を見てもできているか確認しきれないことも。
ここからは、真っすぐな身体のラインや、その感覚を簡単に確認する方法を3つ紹介します。
壁立ち
壁に背を向け、後頭部、肩甲骨、お尻をつけ、かかとを壁から5cmほど離して立ちます。
この時、腰と壁の間に手のひらが丁度入るくらいの隙間があれば、背骨のS字カーブが正常な、理想的な姿勢ができているということが確認できます。
もし隙間が広すぎたら、腹筋を使って背骨を壁側に押し込むようにして、正しい姿勢を身体に叩きこみましょう。
壁立ちの注意点
ここでの注意点が二つあります。
一つは壁にもたれるのではなく、壁に沿って立つこと。
もう一つは、肩とかかとを壁につけないこと。
壁を使った真っすぐな姿勢の確認方法は、後頭部、”肩”、おしり、”かかと”を壁につけて立つ、と説明される情報が多くあります。
ただ、実際にやってみると、肩とかかとを壁につけると、真っすぐになりません。
以下、実際にやってみた様子です。
まず、肩を壁につけると、肩のポイントが後ろ(壁側)に寄り過ぎて、耳と肩と腰のラインが合わなくなります。
そこで、肩ではなく、肩甲骨を壁につけるよう立ってみます。
これで耳、肩、腰のラインは揃いました。
ただ、まだ腰、膝、くるぶしのラインと、腰から耳の穴までのラインが合いません。
これはお尻の厚みの分、腰が前に出ていると考えられるので、3~5cmほどかかとを壁から離して立つと、
真っすぐになり、全ての点が一直線上にのりました。
壁を使って正しい姿勢を確認する場合、かかとや肩を壁につけるという情報は”だいたい”合っているとは言えます。
ですが本当に真っすぐのラインを確認するためには、
- 肩ではなく肩甲骨を当てる
- かかとは少し壁から離して立つ
これで、より正確に正しい姿勢を確認できます。
つま先立ち
つま先立ちでは、つま先だけで全身をキープしようと自然に腹筋、背筋に力が入ります。
姿勢を維持するための筋肉が自然と働くので、良い姿勢をする感覚を覚えるのに適した方法です。
実際にやってみると、体幹の筋肉で身体を支えている感覚がわかりやすい方法です。
信号待ちやエレベーターが来るのを待つ間に、サッとかかとをあげて姿勢維持のために意識すべき筋肉が確認できます。
周囲に壁がなくて壁立ちができない時には、コレがおススメです。
つま先立ちの注意点
かかとを上げる際に、背伸びをするようにかかとを目いっぱい上げると、バランスをとるために腰を反ってしまいます。
かかとは上げ過ぎず、少し反った腰を腹筋を使って押さえ、くるぶしから耳の穴までが一直線上になるよう調整して取り組むといいでしょう。
鏡がないと真っすぐかどうかの確認はできないので、感覚で真っすぐを感じ取る必要がありますが、腹筋で腰を押さえこむことができていれば、真っすぐになっているハズです。
こういった少し腹筋を使って姿勢をコントロールする時に、『おへそ意識』が使えます。

その場ジャンプ
その名の通り、「その場ジャンプ」です。
縄跳びやその場で軽く上に弾む感じの運動です。
ここで言う縄跳びは、二重跳びなど技を決める縄跳びではなく、連続100回跳ぶ時のような、軽い跳躍運動のことを言います。
軽い連続ジャンプですが、猫背や身体を反った姿勢だったり、頭のポジションが悪いと跳びにくいので、自然と正しい姿勢になります。
また、着地の度に強い衝撃に耐えながら姿勢を維持することになるので、跳んでいる間は正しい姿勢の維持に必要な筋肉をずっと使うことになります。
「ジャンプ」は様々な運動効果が期待できる運動ですが、正しい姿勢の確認のためなら何度も跳ぶ必要はありません。
その場で2、3回軽くピョンピョンするだけで、正しい姿勢とその姿勢を維持する筋肉を使う感覚を得ることができます。
これも信号待ち中などで自然にできます。
空中立ちの注意点
ジャンプをする際、目線は必ず真っすぐ前か少し上にしてください。
下を見ながらジャンプしても姿勢の確認にはなりません。
まとめ
今回紹介した正しい姿勢の確認方法はどれも簡単に実施できるので、姿勢を意識した時にパッとできます。
この記事を見ながらでも可能なくらいです。
3つご紹介しましたが、それぞれ状況に応じて使い分けてもいいですし、自分の気に入るやり方で試していただければと思います。
ただ、確認しただけでは不十分で、確認した姿勢を維持することが大切だということをお忘れなく。
治療の専門家にも相談しましょう
ここで紹介した確認方法は、見た目が真っすぐな身体がどんなものなのかが確認できるもの。
ただ、筋肉の状態や生活習慣で骨格にズレがある場合、見た目が真っすぐでも背骨は正常なS字カーブでなかったり、筋肉疲労が蓄積している可能性があります。
定期的に整骨院など専門家に診てもらい、筋肉や骨の調整をすることが、きちんと良い姿勢を維持する大事なポイントになります。