学校の先生に見てほしい「体育座り」姿勢の科学

 

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学校でよく見られる『体育座り』。
「体操座り」という言い方や、地域によっては「三角座り」「お山座り」とも呼ばれるそうです。

体育座りといえば、こういうことですね。

尻を床や地面におろして、両足を揃そろえた状態で膝を折り両手で抱え込む座り方。学校の体育授業で行われることからいう。
引用:大辞林 第三版.三省堂

体育座り_1
出典:岡嵜淳, & 伊藤政展. (2016). 体育授業で見られる座位姿勢が児童の気分と注意の集中に及ぼす影響.

この体育座りについて、児童が体育座りをする際の姿勢の違いによる気分を調べた研究があるのでご紹介します。

学校現場では体育の授業はもちろん、床や地面に座る際にはこの座り方になりますから、学校の先生にはきちんと知っておいてほしいですし、大人になってからも機会は少ないですが体育座りをすることはあるかと思いますので、参考までに。

そもそもなぜ学校では体育座り?

なぜ学校教育の中で体育座りをよく見るかについて、論文の中では

  • 朝礼において貧血などによる転倒防止
  • 安定して地面に座ることができる
  • 狭い範囲に大人数が座ることができる
  • 両手をしっかり組むことで手遊びが無くなる

と書かれています。
どれも学校現場で推奨されるのに納得できる理由です。

ちなみに、学校現場でよく見る机に座る時の児童の姿勢についての研究もコチラで紹介しています。

 

体育座りと体育座り崩れを比較

この学校教育でよく見られる『体育座り』から、児童の気分に及ぼす姿勢の問題を心理的観点から洗い直す試みとして実施されたのがこの研究です。
実験で、『体育座り』と比較するために取り上げられた姿勢は、体育座りの姿勢が崩れた、俗にいう「だらしない姿勢」である『体育座り崩れ』です。

体育座り崩れ_1
出典:岡嵜淳, & 伊藤政展. (2016). 体育授業で見られる座位姿勢が児童の気分と注意の集中に及ぼす影響.

実験は小学5年生26名を対象に行われ、以下4つの座位姿勢をそれぞれ3分間保持した後、さらにその姿勢のまま心理状態(気分)を測定するテストを実施しています。

  • 背すじを伸ばした体育座り(画像左上)
  • 背中を丸めた体育座り(画像右上)
  • 背すじを伸ばした体育座り崩れ(画像左下)
  • 背中を丸めた体育座り崩れ(画像右下)

体育座り実験_3
出典:岡嵜淳, & 伊藤政展. (2016). 体育授業で見られる座位姿勢が児童の気分と注意の集中に及ぼす影響.

テストでは「活性度」「安定度」「快適度」「覚醒度」の4項目を測定し、それぞれの姿勢と気分の違いを分析しています。

 

『体育座り崩れ』にイイこと無し

結果は

  • 『体育座り』は『体育座り崩れ』より「活性度」と「快適度」において有意に得点が高かった
  • 『背すじを伸ばした体育座り』はポジティブな気分を意味するプラスの数値を示したが、『体育座り崩れ』は背すじの状態にかかわらずネガティブな気分を意味するマイナスの数値を示した。
  • 『背すじを伸ばした体育座り』においてのみ「活性度」「覚醒度」においてプラスの数値が得られた
  • 『背中を丸めた体育座り』が「安定度」においてプラスの数値となり、リラックスした気分を示した

以上の結果より、研究者は

背筋を伸ばした体育座りにおいては、快適で、生き生きとした気分が誘発されやすいが、体育座り崩れのような、俗にいう「だらしない姿勢」においては、背すじの条件とは無関係に、不快な気分やけだるい気分が生じやすくなるということを強く示唆している。

と考察しています。

一方、「安定度」で高いポイントを出した『背すじを丸めた体育座り』に関しては

背筋を丸めた体育座りの得点が最も高く、しかもその数値はリラックスした気分を示すプラスの方向で得られている。
この種のリラックス感は心身を休息させる状況では状況に即した好ましい気分とみなすことができが、背筋を丸めた体育座りは「ボー」としているときや眠気を催しているときなどに観察されやすい姿勢であることから、教師の話をしっかりと聞いたり、仲間の動作をしっかりと観察することが求められる体育の授業には適切な姿勢とは言えないのではないかと考えられる。

と、リラックスの面で評価はできるけど、授業に適切な姿勢とは言えないと、少々辛口なご意見です。

 

まとめ

児童の気分の維持向上のためならば、体育座りはだらしない座り方(体育座り崩し)をさせないことが重要だという結論になります。

当初の体育座りの目的とも言える「手遊びをさせない」ために、手で膝をしっかりと抱えることを徹底させることで体育座り崩れは防げそうなので、手の使い方が鍵になるのかもしれません。

そのうえで、背すじを伸ばせると児童はより生き生きとするとのこと。
もし体育座りの姿勢を長く続けるような状況であれば、背すじを伸ばし続けることは児童にとっては大変なことでしょうから、リラックスさせる意味で背すじを丸めてもヨシとする指導はアリだと言えそうです。

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