猫背は治すもんじゃない 「する」か「しない」か

するかしないか

 

 

姿勢を評価する際には「自分は姿勢が悪い」「あの人は姿勢が良い」といった表現になることが多いと思います。
姿勢には動きがないせいか、まるで「体調不良」や「虫歯」と同様に身体の状態であると考え、姿勢を改善したいと思ったら「治す」ことや「矯正する」といった対策をとります。

ただ、

今回は、「姿勢は状態」という考え方を「姿勢は動作」に変えることで、姿勢改善に対するアプローチが違ってくることをお伝えします。

「姿勢は動作」と考えると

 

姿勢は「治す」ものじゃない

治すもんじゃねーぞー

風邪になったり、虫歯になったりすると「治し」ます。
それらはつまり、風邪や虫歯という「状態を治す」ことです。

一方、姿勢は「なる」ものではなく「する」もの、動作と考えると「治す」ものではなくなります。
するかしないか。あるいは、どの姿勢をするのか選択することになります。

「猫背になってるよ」

と指摘を受けたことがあるかもしれませんが、猫背の人は猫背という症状の病気ではなく、猫背という動作をするクセがあるだけです。
指摘された時、あなたは猫背に「なっている」のではなく、「している」のです。

もちろん、猫背をするクセが続けば骨格や筋肉の構成に変化が出てきて、猫背に「成る(なる)」ことにつながる可能性はあります。
腰が曲がった老人のイメージです。
そうなったら可能なかぎり「治す」「矯正」に取り組むべきかもしれませんが、そうでない、猫背がクセなだけの人で「自分は猫背」と思い込んでいる方は、良い姿勢をしてみればいい。

良い姿勢を短い時間でもできるのであれば、心配する必要はありません。
良い姿勢を保持するための身体の使い方に慣れていなかったり、そのための筋力が少し衰えているだけです。
猫背という病気でも状態でもありません。

 

やればできる

やればできる

情報源は定かではありませんが、インターネットの情報では「日本人の9割が猫背」というものを目にします。
そんな中でも日本人のほとんどの方が、一般的に言われている良い姿勢をやろうと思えばできます。
整体で姿勢や骨盤矯正の施術を受けたりマッサージを受けて、身体の状態を整えなければ良い姿勢をできないわけではありません。

もちろん良い姿勢をするためには、良い姿勢がどういったものなのか知る必要があり、良い姿勢の考え方や感覚は様々あるので、自分にあったものを選ぶことになります。
とはいえ、良い姿勢のイメージは世間一般で固まりつつあるので、大抵の方はその概念通りの考えをお持ちでしょう。

「良い姿勢はつらくて続かない」という意見があります。
当然です。客観的に背すじが真っすぐになるよう維持するには、姿勢保持に関わる筋肉群の活動が必要ですから。
良い姿勢と言われる方は、普段から良い姿勢をする機会が多く、その姿勢を維持する筋肉の使い方に慣れていたり、上手に使うことができます。
そうでない人は猫背をすることが多いかと思いますが、どうして猫背をしてしまうかと言えば、その姿勢がラクだと感じるからだと思います。
猫背姿勢だと体幹の筋肉活動が少ないという研究結果があるとおり、ラクです。

そして猫背をするクセがある人にとって良い姿勢は、普段使わない筋肉を使おうとするため疲れます。

ただ何度も言いますが、やればできます。
その筋肉を使う機会を増やしていけば、だんだん使い方を覚えて無理なく使えるようになります。
その一つが、このブログでもお伝えしているおへそ意識です。

猫背がクセづいている方は、治そうとするのではなく、良い姿勢をする努力を心がける必要があります。

 

自然にできる人とできない人がいる

天才赤ちゃん

いわゆる良い姿勢の人と悪い姿勢の人との差は、良い姿勢をする機会が多いかどうか、です。
そしてその機会が多い方にとっては、良い姿勢をすることはごく自然にできます。
話す時よく髪を触るとか、人の話を聞くときにアゴを触るとか、そういった無意識なクセのようなものと同じです。

例に挙げた髪やアゴを「触る」は、無意識ですが動作です。
座った時、立った時に背すじを真っすぐにするという動作は、できる人にとっては無意識なことですが、こちらも一つの動作です。

そして日本に猫背の人が多いっということは、この動作が自然にできない人が多いということ。
これはある意味当然です。
前述したように良い姿勢は筋肉を使うので、ラクなことではありませんから。

さらに言うと、猫背がクセになっている人が姿勢良く座るということは、右利きの人が左手で箸をうまく使おうとすることと同じです。
箸の使い方は知っているけど、その動作をやる機会が少ないから慣れておらず、左手で上手く使えないだけ。
不自然に感じて疲れるのは当然です。

姿勢も同じ。良い姿勢の仕方はわかる。
ただ、慣れていないからうまくできなくて疲れるんです。

 

良い姿勢をずっとする必要はない

今日だけ

姿勢を状態だと考えると、良い姿勢の人は常に良い姿勢ということになります。
一方、姿勢を動作だと考えると「あの人、姿勢良いな」という方は、基本状態として良い姿勢ということではなくて、良い姿勢をする機会が多い人のことです。
なので、もちろん良い姿勢を崩し猫背をすることもあります。
良い姿勢の人が猫背をできないわけではありません。

良い姿勢もずっと続けていれば疲れるし、同じ姿勢が続けば筋肉や関節への過度な緊張や血流の悪化によって身体を痛めることにつながります。
姿勢が良いということのメリットはたくさんありますが、身体にとってはそれを続けることが100%良いこと、というわけではありません。
時には身体を緩めて緊張から解放させ、ストレッチなどで身体を動かす必要があります。

今、猫背がクセになっている人も、猫背が絶対ダメというわけではありません。
先に書いたように、同じ姿勢を継続することがよくないんです。

ずーーーっと良い姿勢をしている、真の良い姿勢の人になる必要なはありません。
そもそも無理です。疲れます。

 

良い姿勢と猫背 使い分けよう

カーペット使い分け

良い姿勢の人も猫背をすると上で書きました。
完全にリラックスする時は猫背だろうがなんだろうが、とにかくラクな体制をとります。

姿勢はその人の基本状態ではないので、時と場所、そして場合(TPO)によって使い分けされます。
そして良い姿勢がクセになっている人は、する必要がない時にも良い姿勢をすることがあり、逆に猫背がクセの人は、良い姿勢をすべき時に悪い姿勢をしてしまうことが多いです。

猫背だと体幹の筋肉活動が少なく、ラクです。
ただ、ラクをしたい時はすればいいと思います。
猫背の方がいわゆる良い姿勢よりも呼吸機能を改善させたり、腰痛改善に効くという考え方の専門家もいます。
また、良い姿勢よりも猫背の方が目の前の作業に集中しやすいという効果を感じている方も多いかと思います。
そういった意味では猫背にもメリットがあります。

ただ、猫背にもメリットがあるからといって猫背ばかりを続けては結局よくありません。
良い姿勢をしようとすると、それなりに筋肉、筋力を使います。
この時に使う筋肉は、姿勢保持に関連する筋肉ですから、日々これらの筋肉を使うことによって、年をとっても自分の姿勢を維持できる筋力と姿勢維持の筋肉の使い方を保つことが期待できます。
逆に筋肉は使わないと衰えていくので、猫背のクセを長年続けていると、老後の姿勢維持に対する不安要素となり得ます。

将来的な姿勢の心配を含めると、やはり猫背の危険性は無視できません。
そしてなによりも、カッコ悪い。
他人に与える印象の部分では、猫背のメリットは少ないと言わざる負えません。

集中が必要な時や腰痛に苦しんでいるなら、猫背もアリです。
ただ見た目重視なら断然一般的な良い姿勢をすべきでしょう。

同じ姿勢を何時間も続けないこと。それだけ覚えていれば、姿勢は状況や気分で上手に使い分けましょう。

 

まとめ

姿勢や猫背を「治す」や「矯正する」など、身体の状態を改善することに目を向ける方はたくさんいますが、そんな方々の多くが「キレイな姿勢をする」とか「正しい姿勢をする」という動作自体に目を向けることを見落としている気がします。
あるいは良い姿勢をすること=ツラいことというイメージが強く、はじめから諦めて姿勢改善対策の候補から除外してしまっているかもしれません。

ただここまで書いてきたように、基本状態として猫背の方は少なく、多くの人が良い姿勢はできます。
姿勢を動作と考えれば、良い姿勢も悪い姿勢もつまるところするしないか、です。

 

考え方を変えましょう。
姿勢を治すなんて思わないことです。そこを追い求めることがしんどい。
姿勢は動作だと認識しましょう。猫背は治す必要ナシ、やるだけ。