「子どもの勉強姿勢は猫背でイイかも」の根拠

「子どもの勉強姿勢は猫背でイイかも」の根拠

 

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仕事や勉強のために、イスに座り集中して取り組むことがあると思います。
そんな中だと、目の前のことに集中し過ぎてついつい前のめりな姿勢(いわゆる猫背)になることも。

そんな時の姿勢が客観的にだらしなくて、親や周囲の人から姿勢を注意された経験がある人は多いでしょうが、実は注意される筋合いはなかったのかもしれません。

課題の難易度が子どもの姿勢に与える影響を調べた研究

その根拠は「子どもの良い姿勢は集中作業には不向きかも」ということが書かれた論文
名古屋の小学4年生28人を対象に、算数の問題の難易度が姿勢にどう影響するかを実験で調査したものです。

実験の方法は、

  1. 被験者となる小学生をイスに正しい姿勢で座らせ
  2. 「その姿勢をできるだけ維持してね」とお願いしたうえで算数の簡単な問題(小2レベル)と難しい問題(小5レベル)を解いてもらう
  3. その様子をビデオで撮影し課題の難易度別に取組み中の姿勢を観察
  4. 問題に取り組んでいる間の体幹の筋肉群の活動と座っている時の前後左右各方向の揺れを測定

 

ちなみに、この実験時に研究者が小学生たちに正しい姿勢をするために指示した姿勢指導は

  • 肩をリラックスさせ腹筋に少しだけ力をいれて背骨を真っすぐにし、お尻を動かさない
  • 膝の角度90度を保ち床についている足を動かさない
  • 両腕をリラックスさせてカラダの横側で維持させる

だったそう。

 

難しい問題ほど猫背になりやすい

猫背で勉強する姿_1

実験の結果は以下の通り。

  • 難易度に関わらず、問題に取り組んでいる時は体幹筋群の活動量が低下した
  • 難しい問題に取り組んでいる時は、簡単な問題の時よりも体幹筋群の活動量が低下し、前後方向への揺れも確認された
  • 体幹筋群の活動量と前後方向への揺れには相関関係が認められた
  • ビデオでは被験者のほとんどが骨盤を後傾させ、身体を前側に傾ける仕草をみせた

 

この結果からわかることは

  • 座って問題を解くなど難しいことをする中では、姿勢保持のための筋肉活動は低下して前かがみな猫背姿勢になりやすい
  • 直面している問題が難しいほどより猫背姿勢になりやすい

ということですね。

 

また、実験結果でもう一つ押さえておきたいのが

  • 筋活動量や身体の揺れと課題の正答率との間には有意な関係性がなかった

という点。
この実験結果で勘違いしてはいけないのが、筋活動の低下(つまり猫背状態)が問題を解く能力を高めるということが見えた実験ではないということです。
あくまで「集中が必要な時やよく考えないといけない時に猫背姿勢をすることは仕方ない」ことがわかったものであり、一概に「集中するには猫背がいい」と言える結果ではありません。
「猫背の方が集中してよく考えやすい」とは言えるのかもしれませんが。

 

姿勢への意識は優先順位低めかも

研究者は

骨盤を直立にして座るには体幹筋肉群を連続的に活動させる必要があるが、問題を解くなどの作業と同時にやるには困難なよう

計算課題に伴い姿勢に配分される注意量が低下したことで、姿勢保持に必要な筋活動量が低下したため、座っている時の前後方向の揺れが拡大した

と考察しています。

「姿勢に注意してね」とお願いしたのに、計算問題に夢中になって姿勢のことを忘れてしまったということですね。

確かに目の前の課題を解くことと姿勢の保持、優先順位をつけるとしたら課題の方が優先されやすいのかもしれません。
課題はできることなら解きたいし、仕事だったらやらなければいけない。できなかったら怒られるかもしれない。
一方正しい姿勢はやろうと思えばできるし(この実験でもスタート時はみんなできていたハズ)、できなくても怒られたりすることは多くない。
大人であれば社会性や自分の身体の状態など、姿勢の重要性をなんとなく考慮する可能性があるので姿勢を優先することもあり得ますが、子どもの場合は姿勢への意識が薄まる傾向がより強そうです。

このあたりで良い姿勢、正しい姿勢がいかに「意識」で支えられているかということがうかがい知れます。

 

姿勢と学習能力の関係は?

タブレットを操作する子ども_1

「正しい姿勢は集中力・記憶力を向上させる」という説を聞いたことはありませんか?

確かに良い姿勢の人や子供は、客観的に「優秀そう」に見えます。
それは単なるイメージ(印象)ではありますが、正しい姿勢と記憶力など学習能力が関係しているという俗説の認知度が仮にそれなりに高いのであれば、これまでの歴史上に多数の(またはインパクトの大きな)事例があったのでしょう。
あるいは科学的根拠を示した研究が存在するのかもしれません。

ですが、今回ここで紹介している論文にある実験結果はその説の逆をいくことになります。
ただ、この研究にはまだまだ追求すべき点がありますので、『良い姿勢=学習に効果的』説を信じている方は安心してください。

この実験は、小学4年生を対象に算数の計算問題だけで調査したもの。
なので、子供より高い集中力やその継続が期待できる大人ではまた違った結果になり得ますし、計算問題以外にも集中力が必要な別種類の作業はたくさんあるので、幅広い層や事象で見ればこの結果を疑う余地はありそうです。

ただ少なくともこの実験結果をみるに
「子どもが何かに夢中になっている時は(例え不格好な姿勢だったとしても)姿勢を理由に邪魔に入らず見守ってあげることが子どもの能力のため」
と言える可能性はあるということですね。

 

まとめ

姿勢から意識が離れてしまったら、姿勢保持のための筋肉活動が低下して猫背になるということがわかる実験結果は、想像の範囲ではあります。
ただ、取り組む課題が難しければ難しいほどより姿勢を保持できなくなるという結果は面白い発見です。

まだまだ追求の余地のある研究内容で、この実験では子どもが対象でしたけどもし大人でも同じ傾向があるのなら

A さん
普段良い姿勢のアノ人が、今日は前かがみで作業してる
ってことは、アノ人は今本気モード
B さん
今日も猫背で頑張ってるねー

 

といった感じのやりとりができ、ついつい集中して猫背になってしまうクセがある人からすれば、猫背だと「頑張ってるアピール」ができる材料となり得るということですね。

とはいえ、やはり対人関係など社会性という点ではTPOに適した場面で良い姿勢ができるメリットは大きいので、そこは意識したいものです。
また、子どもの教育の面でも同じことが言えるので、姿勢教育において姿勢のON/OFFをちゃんと伝えてあげることが大切になりそうです。

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