1時間以上座り続ける時は「猫背」が身体に優しい

長時間座る猫背活用すべし

 

職場や学校など、長時間座り続ける状況ってありますよね。

ここでは、座る時によくする「猫背」「良い姿勢」「反り腰」の3パターンの姿勢を長時間続けた時の、「体幹の筋肉の活動」と「不快感」の関係について書かれた論文を参考に、長い時間座る時はどんな座り方が身体に優しいのかをみていきます。

「良い姿勢」最強、「反り腰」最低

結論から言うと、「良い姿勢で座る」が最も身体に優しいと言えます。
何の驚きもない、イメージ通りですね。

そして残る「猫背」と「反り腰」ですが、身体への影響でいうと「猫背」よりも「反り腰」が最低、ということが言えます。

「猫背」といえば悪い姿勢の代名詞的な扱いで、「反り腰」は良い姿勢を意識した時にやり過ぎてしまったて見られる姿勢なんですが、下手に良い姿勢を意識するよりは猫背の方がマシということですね。

以下で詳しくみていきます。

参考

Perceived body discomfort and trunk muscle activity in three prolonged sitting postures

参考資料の詳細

実験デザイン

論文では、下の写真にあるような3パターンの姿勢で1時間座り続けて、体幹の筋肉の活動と首や腰など身体の不快感を測定した実験が行われました。

座位姿勢の比較実験の様子
引用 : Waongenngarm,P,et al.Perceived body discomfort and trunk muscle activity in three prolonged sitting postures. J Phys Ther Sci,2015 Jul 27(7), 2185.

Aが猫背姿勢、Bがいわゆる良い姿勢で、Cが反り腰姿勢です。
Cはそんなに強い反り腰に見えませんが、論文では骨盤を前に傾けて背骨の胸あたりを伸ばすようにして座る姿勢と説明されています。

結果

下の表は、「猫背」「良い姿勢」「反り腰」の3パターンで長時間座った時の、「体幹の筋肉の活動」と「不快感」の関係を示した結果です。

姿勢  体幹の筋肉の活動  不快感
猫背  少  小
良い姿勢  中  中
反り腰  大  大

表をザックリまとめると、

  • 猫背姿勢だと、体幹の筋肉を使っていなくて、不快感は少ない。つまりラク。
  • 良い姿勢は、体幹の筋肉を使ってて、ちょっと不快感アリ。つまりちょっとしんどい。
  • 反り腰では、体幹の筋肉群の活動が活発だけど、不快感が大きい。つまりツライ。

ということ。

筋肉をしっかり使うと不快感が強まる傾向があるみたいです。

猫背になる理由

この結果を見ると、リラックスしている時に猫背になったり、姿勢良く座ろうと思ってもいつのまにか前のめりな姿勢になる理由がラクだからってことが明らかですね。

体感としてわかってはいますが、あらためて実験結果でみるとわかりやすい。

なぜ「良い姿勢」がいいのか

この記事の最初に【「良い姿勢で座る」が最も身体に優しい】と書いていますが、実験結果だけをみれば、不快感の小さい猫背が最も身体に優しそうに見えます。

ただ、体幹の筋肉を使わない姿勢は、背骨の靭帯や椎間板へのダメージを増やすことが他の研究(※2)で指摘されていて、猫背姿勢は快適さと引き換えにリスクも大きいということ。

一方、良い姿勢だとちょっと不快感はあるんですが、体幹の筋肉を使って背骨を安定させることで身体へのダメージを防ぐと考えられていて、結局ちょっとツライけど良い姿勢がイイってことに落ち着きます。

反り腰は最悪

反り腰姿勢では、他の姿勢よりも特に背中と腰の筋活動が大きく、その筋肉疲労から不快感となるようです。

身体を反らすと、背中と腰の筋肉が疲労し、背骨周辺の靭帯や椎間板へのダメージとなるとのことです。

筋肉使って疲れるわ不快だわで、最悪なわけです。

長時間座れば姿勢は関係ない

不快感の小さい猫背でも結局は背骨にダメージを与えるということを含めると、この実験で比べた3タイプの姿勢は全て、1時間続ければ身体に不快感が残るってことがわかります。

「不快感が腰痛の予兆となる」とする研究(※3)もあり、要はどんな姿勢でも長時間同じ姿勢で座ることは腰痛の原因となり得るということですね。

なので、長時間座る必要がある時は「良い姿勢」をメインでしていれば間違いないんですが、「猫背」でもいいのでちょくちょくラクな姿勢に変えて筋肉を休ませてあげることが大事だということ、覚えていただければと思います。

参考

The effect of different standing and sitting postures on trunk muscle activity in a pain-free population.PubMed ※2

参考

Does musculoskeletal discomfort at work predict future musculoskeletal pain?PubMed ※3