家庭でも学校でも、イスに座る時の姿勢を厳しく指導することはあるかと思います。
ただ、あまり姿勢指導のイメージはないかもしれませんが、体育座りをさせる時の姿勢も子どもたちにとって重要なんです。
体育座りの姿勢
教育現場でよく見られる「体育座り」。
「体操座り」や「三角座り」とも呼ばれますね。
学校教育の中では
- 朝礼において貧血などによる転倒防止
- 安定して地面に座ることができる
- 狭い範囲に大人数が座ることができる
- 両手をしっかり組むことで手遊びが無くなる
といった理由でよく採用されます。
小学生で実験調査
小学5年生を対象に、体育座り姿勢の違いによる気分と集中力への影響を調べた論文では、以下4つの体育座り姿勢を比較していて、
- 背すじを伸ばした体育座り(左上)
- 背中を丸めた体育座り(右上)
- 背すじを伸ばした体育座り崩れ(左下)
- 背中を丸めた体育座り崩れ(右下)
出典:岡嵜淳, & 伊藤政展. (2016). 体育授業で見られる座位姿勢が児童の気分と注意の集中に及ぼす影響.
結果をザックリをまとめると、
- 「背すじを伸ばした体育座り」は、快適で生き生きとした気分になる
- 「体育座り崩れ」は、背すじの状態にかかわらず不快で気だるい気分
- 「背中を丸めた体育座り」は、リラックスした気分を示した
といった感じに。
崩れた体育座りはいろいろネガティブ
足を崩した体育座りでは、背中が真っすぐかどうかは関係なく、ネガティブな気分なんですね。
あと、「背中を丸めた体育座りはリラックス気分」とありますが、ボーっとしていたり眠気を感じていることがあるので、教師の話を聞いたり、仲間の動きを観察する体育の授業中では避けたい姿勢だとのこと。
児童にイキイキと授業を受けてもらうには、体育座りの姿勢は軽視できませんね。
「体育座り」指導のポイント
教育現場で体育座りをさせる時には、手で膝をしっかりと抱えるよう指導することがポイント。
それだけで足を崩す「体育座り崩れ」はもちろん、体育座りの目的とも言える「手遊び」を防ぐことができますから。
あと、「背すじを伸ばした体育座り」は、つい背中を反らせてしまいがちですが、それだと背中への負担が大きいので、腹筋(おへそ)に少し力を入れるように座り方を指導してあげることが望ましいですね。

まとめ:体育座りはあなどれない
体育の時間もそうですが、校長先生のスピーチなどしっかりと話を聞いてほしい時にも姿勢をちゃんとさせたほうがよさそう。
あと、地域の行事など教師がいない場面でも、大人がちゃんと指導してあげるべきですね。
ただ、あまりに長時間になると、児童にとって姿勢良く体育座りを続けることは大変ですから、手で膝を抱えたまま背中を丸める「リラックス姿勢」を許すこともアリだと言えそうです。